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Chapter 10

ウストー・ド・ ボーマニエール

ミシュランの3つ星を授けられ、80年近い 歴史をもつウストー·ド·ボーマニエールは、 プロバンス地方屈指の名店です。

このチャプターの著者

ジェフリー・S・キングストン

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ジェフリー・S・キングストン
ウストー・ド・ ボーマニエール
ウストー・ド・ ボーマニエール
Issue 23 Chapter 10

「 玉 ねぎで料 理を作らせてください」。こう言ってグレン・ヴィエルは、当時のウストー・ド・ボーマニエール (L’Oustau de Baumanière) のシェフであったジャン=アンドレ・シャリアルに自らの腕前と創造性を披露しました。高尚なオートキュイジーヌの世界では、シェフの採用試験としてオムレツを作ることが多いのですが、ただの玉ねぎとは...。ですが実際にできあがったのは「ただの」玉ねぎなどではありませんでした。

想像力を膨らませ、ヴィエルが創り上げたのは「玉ねぎ、菊芋、ブレッドピューレ、トリュフ(oignon, topinambour, purée de pain et truffe)」を使った一皿でした。その「玉ねぎ」はセンセーショナルなものであったに違いありません。この後、同店からオファーを受けたグレン・ヴィエルは、長年にわたり人々に敬愛されてきたフランス屈指のレストランのシェフとなり、ミシュランの星を獲得するまでになったのですから。初代シェフ、レイモンド・トゥイエによる創業以来、約77年の間にシェフを務めた人物はグレン・ヴィエルの前に二人しかいませんでした。トゥイエ本人と、その孫にあたるジャン=アンドレ・シャリアルです。

シャリアルからのオファーを受ける前にグレン・ヴィエルはひとつの条件を出しました。それは厨房内で自由裁量を与えてもらうことでした。彼の採用に関するシャリアルの自信が間違っていなかったことは、その後すぐに証明されることとなります。グレン・ヴィエルは、就任最初の年からミシュランの2つ星を維持することに成功。さらに、1990年以降失われていたミシュランの3つ星を2020年に奪還したことで、シャリアルの採用判断はさらに報われることとなりました。ある意味、ヴィエルの功績は二重の偉業でした。なぜなら彼はこの時、フランス最年少の3つ星シェフの称号を獲得したからです。

あろうことか、ヴィエルはもともとシェフを目指してきたわけではなく、初めて就いた仕事は警察官だったといいます。しかしその回り道は長くは続かず、次の15年間は、パリ屈指の名門店(高級レストラン「ル・ムーリス」の後、ホテル・プラザ・アテネ)に勤務。その後、クルシュヴェルのスキーリゾートにある2軒のミシュラン星レストラン(そのうちのひとつ「キリマンジャロ」で彼はミシュラン2つ星を獲得)で働き、さらにアルプスとは対極的な海辺の街ボニファシオにあるレストラン「ラ・カラヴェル」へ移り、腕を磨いてきました。

自由裁量を与えられたとはいえ、ヴィエルはすぐにメニューを変えることはしませんでした。その代わり彼は、シャリアルが築いた名高い伝統を守りながら、完璧を追求することに専念。その後、少しずつ足場を固め、独自のスタイルへと進化させていったのです。

ウストー・ド・ ボーマニエール
ウストー・ド・ ボーマニエール
ウストー・ド・ ボーマニエール
シェフのジャン=アンドレ·シャリアル氏。

シェフのジャン=アンドレ·シャリアル氏。

シェフのグレン·ヴィエル氏。

シェフのグレン·ヴィエル氏。

もちろん、コスティエール・ピジョン(鳩肉)やボー渓谷産のオリーブオイルをはじめとする地産品への長年のこだわりはそのまま引き継いでいます。ヴィエルはイマジネーションを広げ、ソースと盛り付けに新たなアプローチを生み出すことに力を注ぎました。フランス料理の醍醐味はソースにあります。極上の深みを湛え、風味を凝縮したグレン・ヴィエルのソースには、伝統へのオマージュが込められています。彼が作り出すこの上なく濃厚なソースには、他では出会えないようなニュアンス、トーン、フレーバーが漂います。その好例となるのが、ヴィエル流にアレンジされたエスカルゴ料理「プロバンス地方の村サンレミ産の「心地よい」エスカルゴ(Escargots de Saint Rémy de Provence “Réconforant”)」です。料理名を見ただけでは、ヴィエルが放つ魔法のほんの一部しかわかりません。まず、パセリ風味のガーリックバターをのせた古典的なエスカルゴ料理のことはいったん忘れてください。フレンチの定番となっている伝統的なエスカルゴもそれはそれで美味しいのですが、ヴィエルのエスカルゴは別次元。皿の中央に配されたマッシュルームのレデュクション(極限まで煮詰めたソース)が爆発的なフレーバーを放ち、肉のような質感と濃縮された仔牛のブイヨンを思わせる旨味を醸し出しています。これらの要素が「心地よい」エスカルゴに深みをもたらし、素材ならではの歯ごたえのある食感を際立たせます。エスカルゴ料理に欠かせないガーリックの風味をもたらすのは、繊細なガーリック エマルジョンです。

ヴィエルの料理の重要なテーマを表す2つの言葉があります。「詩」と「遊び心」(フランス語で「ludique」)です。よくわかる例が「そば粉パンのビーフサンドウィッチ(Boeuf traceur d’un sandwich, “Souvenir” Pain sarrasin)」です。提供されるのは、レアに仕上げたシンメンタール牛(シンメンタールとはスイスのベルン州産の牛の品種)のレタス包み。サンドウィッチはどこに?サンドウィッチになくてはならないパンが見当たりません。その答えはソースにありました。牛肉のレデュクションソースの一
部に、そば粉パンでとろみがつけてあるのです。食事客は、こうした謎解きを楽しむことになります。

ユーモアがもっとわかりやすい形で表現されることもあります。トリュフの季節に提供されるポテトグラタンの上にあしらわれるのは、目の形にカットしたトリュフ。グラタンを見つめると、グラタンの「目」が見つめ返してきます。

グレン・ヴィエルの濃縮ソースと遊びへのこだわりを示すもうひとつの例が、「水に“足”を浸したマテ貝たち(Les couteaux, les pieds dans l’eau)」です。殻付きのまま提供されるマテ貝は、長細い殻をつなげて1本の筒のようになっています。「水」というのは、実際にはバジルで香り付けした貝のレデュクションです。濃厚なコクのあるソースを口にすると、奥行きのある豊かで肉感的な風味が一気に広がります。ここまで濃縮するためには、ブイヨンを24時間煮込み続けなければなりません。お皿には、殻から貝を取り出すためのピンセットが添えられています。貝の横に添えられたチップスは、マテ貝がいる環境、つまり「砂」を思わせる形と色に仕上げられています。遊び心あふれる演出が楽しい一品です。

ウストー・ド・ ボーマニエール
そば粉パンのビーフサンドウィッチ“Souvenir” Pain Sarrasin)。

そば粉パンのビーフサンドウィッチ“Souvenir” Pain Sarrasin)。

水に“足”を浸したマテ貝たち (Les couteau, les pieds dans l’eau)。

水に“足”を浸したマテ貝たち (Les couteau, les pieds dans l’eau)。

ヴィエルは、ボーマニエールの敷地からもインスピレーションを得ています。「敷地」という言葉では十分に表現できないほど、いろいろな意味で「庭園」のような空間です。その敷地の端には、ボーマニエールのレストランとホテルがあり、もう一方の端には、よりカジュアルなレストラン「カブロ・ドール(La Cabro d’Or)」があります。その間には、いくつかのヴィラ、噴水、緑豊かなガーデン、トピアリー仕立ての樹木、のんびり読書を楽しむのに最適な静かな木陰、そしてヴィエルのための特別な区画もあります。その区画には、野菜やハーブを育てている畑(まもなく2ヘクタールに拡張予定)はもちろん、鶏小屋まであります。幸か不幸か、この鶏小屋はレストランの食材用として使われたことは一度もありません。鶏たちは野生のキツネに襲われて全滅してしまったので...。また、シェフの楽しみとして豚を飼育するための区画もあり、豚たちはレストランの残飯を餌にして育っています。3つ星グルメとは、なんとも贅沢です。

郊外にある高級レストランが菜園やハーブ園を持つことは、特にプロヴァンスのように気候に恵まれた地域では珍しくはありませんが、ボーマニエールの「庭園」はさらに一歩進んで、チョコレート菓子を提供するコンフィズリーや陶器工房も併設しています。この工房ではレストランの盛り付けに使うお皿を製作しているだけでなく、カタツムリとその後ろに続く足跡をモチーフにしたユーモラスな作品など品揃えが豊富で、ビジターも購入することができます。

ボーマニエールの庭園内に点在する静かな一角のひとつ。

ボーマニエールの庭園内に点在する静かな一角のひとつ。

ハーブと野菜の畑。   

ハーブと野菜の畑。

  

ウストー・ド・ ボーマニエール
シェフのヴェイル氏。採れたての野菜とともに。

シェフのヴェイル氏。採れたての野菜とともに。

詩と遊び心は、ヴィエルの料理を特徴づける大きなテーマですが、別の要素を取り入れた料理もあります。それは、よりシリアスな「特許」という要素です。豊かな風味を構築するための超濃縮技術をさらに進化させ、ヴィエルは「カイユ(cailloux:小石の意)」と名付けた調理法を発明し、実際に特許を取得しています。彼は野菜や貝のブイヨンを固形になるまで濃縮し、それを細かいおろし金で削り、塩の代わりに料理のアクセントとして使います。カイユ「調味料」は、ラングスティーヌや野菜を使った料理に用いられます。

彼のエスカルゴ料理からもわかるとおり、ヴィエルは、料理名でひとつの方向を示し、料理が実際にテーブルに運ばれた瞬間に別の方向から驚かせる、という表現を楽しんでいます。例えば彼のラビオリ料理「カラマリのラビオリ、コロンナータ村のラードと貝のエマルジョンのお腹の中に包まれて(Raviole de calamars dans le ventre d’un “ calalard ” émulsion lactée aux crustacés)」では、パスタは使われていません。その代わり、カラマリ(イカ)とイタリア産コロンナータ(ラードを軽くいぶした
もの)を編んで作ったラビオリを用いています。ラビオリの中身は、海藻がほのかに香るスモーク アンチョビ。横に添えられたエマルジョンがソースの役割を果たします。

さらに驚きに満ちた一皿が「ルージェ、ルージェの肝、ズッキーニソースとルージェの肝の「オリーブ」仕立てムースを添えて(Rouget, foie de rouget, sauce courgettes “olives” mousse de foie de rouget)」。ルージェ(ヒメジという白身魚の一種)とは、プロバンスや地中海の昔ながらの呼び名で、特にズッキーニやオリーブを添えて提供される料理に用いられます。ルージェは、厨房の腕が試される食材でもあります。火の通りが足りないと柔らかすぎ、ほんの数秒でも火を通しすぎると固くなり、魚臭さが出てしまいます。ヴィエルはその絶妙な火の入れ方でルージェの甘みとジューシーな旨味を引き出しています。ルージェにテクスチャーをもたらしているのはルージェ風味の大きな一枚のチップ。その横に添えられた「オリーブ」には遊び心があふれています。見た目はオリーブのような球状ですが、実はトリックアートのように、オリーブとルージェの肝のムースをオリーブに見立てて盛り付けてあるのです。ルージェの旨味を凝縮したソースで香り付けしたディスク状のパンがこの料理の完成度をさらに高めています。

テクスチャーをテーマにした「層仕立てのセップ茸「トラディション」クリーミーセップ (Cèpes en strate “Tradition” cremeux cèpes)」は、調理したセップ茸と食感をもたらす生のセップ茸、パルメザンとヴェルジュの濃厚なエマルジョンをマリアージュさせた一皿。3つの要素が互いを引き立て合い、見事なハーモニーを奏でます。メインテーマであるテクスチャーのコントラストを楽しめるだけでなく、エマルジョンがキノコの旨味を増幅させ、深い味わいを引き出しています。

ヴィエルが作る「カラビネーロス産大エビのグリル、フェンネルのピューレとレモン風味のパイを添えて (Carabineros au grill “Simplicité” pulpe de fenouil à cru Feuilleté citron)」はシンプルさと完璧さのマリアージュが合言葉。カラビネーロスは、地中海の深層に生息する珍しい大エビで、その類まれな大きさと光り輝く赤色が高く評価されています。甘みと透明度を残しつつ完璧にグリルした一尾のエビが、エビの頭を使った驚くほど濃厚な赤いレデュクションとともに提供され、サイドにはレモン風味のフィユテ(パイ)が添えられます。

「トマト果汁でシンプルにポシェしたマトウダイ、ズッキーニとローズマリーのラビオリ、海藻のパン、トマトシードジュースとともに (Saint-pierre poché à l’eau de tomate “Simplicité” ravioli de courgettes et romarin, Pain aux algues, jus de pépins)」は、ヴィエルのイノベーションが弾ける一品。マトウダイはフランス料理では定番の食材ですが、繊細なその身には、旨味を高める何かが必要となります。ヴィエルはその「何か」として、新鮮さ、甘み、酸味をもたらすトマト果汁で煮るという手法を取りました。驚かされるのは、種も含むトマト果汁を煮詰めたトマトベースのソース。完璧なトマトのレデュクションが、自然な甘みと果汁の軽やかさを際立たせ、種が面白い食感を生み出しています。そこに半月型の大きなラビオリがひとつ、別皿で添えられます。ズッキーニ果汁をベースにしたソースで仕上げたこのラビオリの中身は、わずかに火を通したローズマリー風味のズッキーニ。ズッキーニは、ラビオリの皮と中身の具材の両方に用いられています。トマト果汁、ズッキーニ、ローズマリーが、食材をつなぐ完璧な架け橋となっています。

先日私が訪問した際はちょうど、ミルクフェッド ラム(ミルクで育てられた子羊)が旬の時期でした。この日に提供されたのはスペイン産の生後12週間のラム。伝統に則ってテーブルの上にはナイフが用意されていましたが、その出番がないほど繊細なラム肉は口に入れると溶けるような柔らかさでした。

層仕立てのセップ茸“トラディション”クリーミーセップ(Cèpes en strate “Tradition”cremeux cèpes)

層仕立てのセップ茸“トラディション”クリーミーセップ(Cèpes en strate “Tradition”cremeux cèpes)

ルージェ、ルージェの肝 (Rouget, foie de rouget)。    

ルージェ、ルージェの肝 (Rouget, foie de rouget)。

   

上:カラマリのラビオリ、コロンナータ村のラードと貝のエマルジョンのお腹の中に包まれて(Raviole de calamars dans le ventre d’un “ calalard “ émulsion lactée aux crustacés)。

上:カラマリのラビオリ、コロンナータ村のラードと貝のエマルジョンのお腹の中に包まれて(Raviole de calamars dans le ventre d’un “ calalard “ émulsion lactée aux crustacés)。

シェフのグレン·ヴィエル氏は、新しいアイデアが偉大なる遺産と共存できることを証明し続けています。

ボーマニエールのワインリストは、まるで百科事典のように、フランスワインの主な産地をすべて網羅しています。幸運にも、現地以外ではあまりお目にかかれないプロバンス産ワインも豊富に揃っており、特に私のお気に入りであるシャトー・ドゥ・シモーヌ・パレットの素晴らしいワインも赤と白、両方含まれていました。アプリコットや白桃、豊かなテクスチャーが特徴的で、フィニッシュにバニラが香る芳醇な2020年の白は、お魚のコースによく合います。

コースの最初に提供される多彩なアミューズブーシュと締めくくりのデザートも見過ごすことのできない存在です。もちろん、アミューズの内容は季節や市場に出ている食材によって大きく変わります。「ラングスティーヌのタルタル、キャビア添え(tartare de langoustines au caviar)」を主役とする前菜では「仔牛のタルタル、アンチョビチップスと共に(tartare de veau avec chips d’anchois)」やペストリーの上にほんのり甘い肉厚のイワシを盛り付けた「イワシの燻製(sardine fumée)」など滋味あふれる旬のあしらいが並びます。メインへと導く前奏曲として提供されるこれらの魅力的なアミューズは、ヴィエルの友人であり仲間であるミシュラン星をもつシェフ、クリストフ・バキエに敬意を表したものです。

デザートでは伝統を見事に取り入れています。半世紀以上の間、ボーマニエールを訪れる多くの美食家たちのお目当てになっているデザートがあります。それは名物の「クレープ スフレ (Crêpes soufflées)」。オレンジ風味のスフレをクレープで包み、クレープとスフレという二大デザートを融合させた、ある意味、大定番と言える逸品です。

そして真のグランドフィナーレにふさわしく、メインのデザートコースには、工夫を凝らした小さなお菓子たちが添えられます。そこでも期待を裏切らないのがボーマニエール。まずは、小さなピッチャーの上に置かれたルバーブのタルトレット。ピッチャーの中のルバーブ&キューカンバードリンクを飲むための金属製ストローが付いています。レモン&ハニーヨーグルト タルトにもヴィエルの遊び心が感じられます。タルトの下には、乳しぼりに用いる缶を思わせるミニチュアの金属缶が置かれ、タルトには牛の頭をかたどったチョコレートのデコレーションが施されています。最後の締めくくりはチョコレートヌガーバークです。

1954年に初版が発行された権威ある「ルレ・エ・シャトー・ガイド」に選ばれるなど、80年以上の歴史をもつボーマニエールは、プロバンス地方の神話のような存在となっています。グレン・ヴィエルは、新しいアイデアが偉大なる遺産と共存できるということを証明し続けています。

ウストー・ド・ ボーマニエール
クレープ スフレ(Crêpes soufflées)。   

クレープ スフレ(Crêpes soufflées)。

  

ウストー・ド・ ボーマニエール

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Blancpain SA
Le Rocher 12
1348 Le Brassus, Switzerland
Tel.: +41 21 796 36 36
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EDITORIAL COMMITTEE
Marc A. Hayek
Christel Räber Beccia
Jeffrey S. Kingston


PROJECT MANAGEMENT
Christel Räber Beccia


EDITORS IN CHIEF
Christel Räber Beccia
Jeffrey S. Kingston


CONTRIBUTORS TO THIS ISSUE 
Jeffrey S. Kingston
Tatiana Boube
Alexis Chappuis


TRANSLATION
Susan Jacquet
Ubiqus


PROOFREADING
Blancpain
Ubiqus

 

GRAPHIC DESIGN. LAYOUT
Tatin Design Enterprises GmbH
www.tde.tatin.info


ART DIRECTION
Marie-Anne Räber
Oliver Mayer


PHOTOLITHOGRAPHY
Sturm AG, Muttenz, Switzerland


PREPRESS, PRINTING
Courvoisier-Gassmann SA,
Biel/Bienne, Switzerland


WATCH PHOTOGRAPHY
Joël von Allmen
Blancpain 
Renaud Kritzinger


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(PARTIAL LIST)
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Getty Images
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Gil Kebaïli
Mathieu Macias
Etienne Menager
L'Oustau de Baumanière
Thomas Pavy
Dominique Weibel

発売日: 2023年9月

 

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